佐藤優『資本主義の極意』 第一章

 

 

資本主義社会とは労働力自体が商品化されている社会のことだ。

コンビニのアルバイトもサラリーマンも自身の労働力を売っている。

 

労働力が商品化されるためには、2重の自由、つまり、身分制がなくなることと、生産手段からの自由(独力では商品を生み出させず、賃金労働者になる以外に生きていけないこと)が必要である。

 

日本資本主義の初期段階には以下の2点に特徴があった。

 

①農村が資本主義化しなかった(地主・小作人など旧来の身分制が残存し(、また小作人においては現物納が基本であった)

②国家が資本・技術導入において強く介入した

 

マルクス資本論は国家機能を捨象しているため、国家が資本主義を強く推進してきた日本のような後発の資本主義国家を分析するには十分ではない。そのため次章からは宇野の『段階論』の視座でもって日本資本主義を解説する。