コンビニ人間 村田沙也加

 

コンビニ人間 (文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)

 

 ○要約

主人公の古倉は幼少の頃より周囲と馴染めずにいた社会不適合者だったのが、
大学時代にコンビニでアルバイトし始めることにより
社会の一員として認められた感覚が芽生え、ついには彼女のアイデンティティの全てがコンビニに依拠する状態になる。
36歳になったいま、未婚でコンビニでアルバイトという状態について周囲から不安な目で見られているのは理解しているが何をどうすればよいのかわからない。
しかし、最終的には自分は「コンビニ人間」で良いんだと再確認する。

 

○感想

仕事を自己のアイデンティティとすることは多かれ少なかれやっていると思うが、

ここまで「コンビニで働くこと」を内面化にすすめている主人公に恐ろしさを感じる。

ある種「職人」としての誇りも感じれれず、ただ単に身の振る舞い方のマニュアルを与えてくれるからコンビニ店員としての自己に依存している。