チャールズ・ブコウスキー『勝手に生きろ!』
- 作者: チャールズブコウスキー,Charles Bukowski,都甲幸治
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/07
- メディア: 文庫
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失業して、雇われるだけの話。それが5ページに1回くらいのサイクルで最後までひたすら繰り返される。
職を見つける。業務中に酒を飲む、ギャンブル、盗む、喧嘩などの理由で解雇される。その合間に女とファックしたり、酒浸りになったりの無限ループ。
「クビだってこと、わかってるな?」「上司の考えてることくらいお見通しですよ」「チナスキー、おまえは1ヶ月間、すべきことをしなかった。自分でもわかってるはずだ。」「おれは頑張ったのに、あんたが認めてくれないだけですよ」「頑張ってないだろうが、チナスキー」おれはうつむいて、しばらく靴を見ていた。なんて言っていいのかわからなかった。そして彼を見た。「おれはあんたに、自分の時間をやった。おれがあんたにやれる、ただ一つのもの・・・・・・。誰もが持ってるものを。時給たった一ドル二十五セントで」「おい、働かせてくださいって頼んだのはおまえじゃないか。ここは第二の故郷ですって言ったろう」「・・・・・・おれの時間のおかげて、あんたは丘の上の豪邸に住み、豪勢に暮らせるんだ。この取引でなにかを失ったやつがいるとしたら・・・・・・それはおれだ。そうだろ?」